Disc Review

Miles Out To Sea: The Roots Of British Power Pop 1969-1975 / Various Artists (Grapefruit/Cherry Red)

マイルス・アウト・トゥ・シー:ルーツ・オヴ・ブリテイッシュ・パワー・ポップ 1969〜1975/スレイド、パイロット、ブリンズリー・シュウォーツ、バッドフィンガー、ムーヴ、ザ・フー、キンクス、ファースト・クラスほか

先日、本ブログでも1965年から68年まで、米ロサンゼルスで生まれた様々な音楽を集めたCD3枚組コンピレーション『英雄と悪漢~LAサウンドの光と陰、ビーチ・ボーイズからビーフハートまで』ってやつを紹介したけれど。

あれ編纂した英チェリー・レッド・レコード傘下のグレイプフルーツ・レーベルから、またまたごきげんな3枚組コンピが出ました。それが本作『マイルズ・アウト・トゥ・シー:ザ・ルーツ・オヴ・ブリティッシュ・パワー・ポップ1969〜1975』。その名の通り、パワー・ポップの礎を築いた1969〜75年の英国アクトを全74曲、一気に詰め込んだもので。ジャングリーでワイルドで、でもキュートでドリーミーなパワー・ポップの源流を改めて確認しつつ堪能できるうれしい内容です。

とか言ってるけど、なにせ輸入盤が今日発売ってことで。ぼくもすでに注文はしているものの、まだブツを手にしていない状態。ただ、グレイプフルーツものの再発盤は豪ティーンズヴィルもの同様、出たとたんにソールドアウトになってそれっきりみたいなことも多く。まだちゃんと全体を聞き込んでいない状態ながら、取りいそぎのご紹介です。

名の通った顔ぶれとしては、スレイド、パイロット、ハニーバス、ブリンズリー・シュウォーツ、デイヴ・エドモンズ、トレメローズ、スウィート、マーマレード、ジェリー・ラファティ、バッドフィンガー、ムーヴ、スタックリッジ、スティーラーズ・ホイール、サザーランド・ブラザーズ&クイヴァー、ダックス・デラックス、ザ・フー、キンクス、バークレイ・ジェイムズ・ハーヴェスト、イアン・マシューズ、ファースト・クラス、ルパート・ホームズあたりかな。この辺が絶対無視できないアーティストの音源で。そういうのもたっぷり入っているのだけれど。

ただ、今回のコンピで思いきり興味深いのは、まあ、いつものグレイプフルーツもの同様、実はそういう有名どころ以外の音源だったりする。スターリー・アイド・アンド・ラフィング、シェイプ・オヴ・ザ・レイン、オクトパス、ロッキン・ホース、リヴァプール・エコー、パリアーノ、アトランティス、フレッシュ・エアーなど。誰? みたいなアーティストも中にはいて。それがまた楽しい。

これまたいつものグレイプフルーツもの同様、ストリーミング/ダウンロード販売されているのはそのあたりのちょっとマイナー系の全38曲だけ。ほぼ半分。まあ、それ聞いてるだけでも確かに楽しいっちゃ楽しい。とはいえ、やっぱフィジカルをゲットして全体像を把握しておきたいところです。8月に入ると国内流通盤(Amazon / Tower)も出るようなので、そっちでゲットするのが確実かも。(7/26追記:なんと、国内盤は10月まで発売が延びたとの情報が…!)

未発表音源とか自主制作盤音源とか妙なカヴァーとかもあって、とにかく油断ならないコンピです。

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