エッジ・オヴ・ザ・サン/キャレキシコ
アメリ/メキシカーノの雄、キャレキシコ、3年弱のブランクを置いての新作です。ずいぶんと外向きに突き抜けた仕上がりになっていて、最初ちょっと面食らったのだけれど。
内省的な曲作りのテイストは変わらず。以前のような、音像も含めてとことん内向きな楽曲ももちろんいくつか聞くことができる。ただ、曲によってジェイホークスみたいだったり、初期REMみたいだったり、ザ・バンドみたいだったり、おい、へたするとこれ、クラウデッド・ハウスだぞ的な直球のバラードがあったり…。ニーコ・ケイスやギャビー・モレノ、アイアン&ワイン、グレッグ・レイズら、適材適所って感じで招かれたゲストの力もいい按配で借りつつ、大きく門戸を開いた感触を演出しているみたい。
レコーディングは本拠地アリゾナとメキシコで。前述したようなポップな手触りの楽曲もかなりいいのだけれど、バルセロナの歌姫アンパロ・サンチェスを迎えて録音された「クンビア・デ・ドンデ」「マイルズ・フロム・ザ・シー」「ビニース・ザ・シティ・オヴ・ドリームズ」という中盤3曲の、なんともやさぐれ気味な異国情緒が個人的にはたまりません。
トワンギー・ギターとマリアッチ・トランペットとシンセがオルタナな空気感の中、妖しく絡み合いながら舞う。こりゃ、ごきげんです。ぼくは輸入盤で手に入れたけれど、国内盤は6曲もボーナス追加されてるのね…(涙)。