
リファインド・ビリーヴァー/OSKA
オーストリアのシンガー・ソングライター、マリア・バーガーのソロ・プロジェクト、OSKA。3年前にアルバム『マイ・ワールド、マイ・ラヴ、パリス』で爽やかにデビューして。その後、去年の半ばからは着実なペースでシングルのリリースを重ねてきて。で、今年、いよいよ久々の新作フル・アルバム、届きました。
前作が成長することというか、真実を見つめることとか、そういうテーマの下で綴られていたのに対して、今回は少しだけ年齢を重ねたからか、もうちょい落ち着いた印象。いや、まあ、そんな深く歌詞を味わったわけではないので、ものすごくざっくりした感想でしかないのだけれど。
言葉をふっと置きに来る感じとかはエイドリアン・レンカーあたりにも通じる感じ。
さりげなくドラム・マシンを導入した曲とか、音像に不思議なエフェクトをかけた曲とかもあるけれど、基本は変わらずアコースティック・ギターの弾き語りで。大仰な演出とか派手なプロダクションはあえて排しつつ、静かに、ミニマルに、淡々と、でも、情感豊かに浮遊感に満ちた歌声を聞かせてくれます。
どの曲も妙に離れがたい。「イット・ハプンズ・イーザー・ウェイ」とか「ウィズ・ラヴ、ユア・クレメンタイン」とかピアノ伴奏で歌われる「オー、マリー」とか「エイプリル、メイ、ジュライ」とか、とらえどころがないようでいて、聞いているうちにじんわり沁みてくる、みたいな。
梅雨が戻ってくるとかも予報されてるから。蒸し蒸し気分をOSKAの軽やかで柔らかい歌声で忘れさせてもらいましょう。