Disc Review

Jingle Jangle Morning: The 1960s U.S. Folk-Rock Explosion / Various Artists (Strawberry/Cherry Red)

ジングル・ジャングル・モーニング(THE 1960S U.S.フォーク・ロック・エクスプロージョン)/ヴァリアス・アーティスツ

これ、輸入盤は3月末に出ていたもの。英再発シーンの雄、チェリー・レッド・レコード傘下のストロベリー・レーベルが編纂した1960年代米国フォーク・ロック・コンピですが。春の連休のおともにぴったりかな、と思って。遅ればせながら紹介しておきますね。

超有名曲とレア曲のバランスがわちゃわちゃと楽しい3枚組コンピ。

ディスク1のアタマ、バーズの「ミスター・タンブリン・マン」で始まって、ボブ・ディランの「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」へ…という超定番曲で始まって、その後、ラヴィン・スプーンフルの「魔法を信じるかい(Do You Believe in Magic)」、バリー・マクガイア「明日なき世界(Eve of Destruction)」、サイモン&ガーファンクル「サウンド・オヴ・サイレンス」、バッファロー・スプリングフィールド「フォー・ホワット・イッツ・ワース」、スコット・マッケンジー「花のサンフランシスコ(San Francisco (Be Sure to Wear Flowers in Your Hair))」、ヤングブラッズ「ゲット・トゥゲザー」、ディオン「アブラハム、マーティン&ジョン」、グレイトフル・デッド「アンクル・ジョン・バンド」などを経て、ディスク3のラスト、ニッティ・グリッティ・ダート・バンド「ミスター・ボージャングルス」まで。

こういう超有名曲もちゃんと含みつつ、60年代後半の米国フォーク・ロック〜サイケデリック・ロック〜カントリー・ロック・ムーヴメントを駆け足で振り返っているわけですが。これら超有名曲の間を埋める楽曲セレクションが、まあ、いかにもチェリーレッドというかストロベリーというか。

フィル・オクスの「アイ・エイント・マーチング・エニモア」とかジョニー・ウィンターの「バーズ・キャント・ロウ・ボーツ」とかトム・ラッシュの「アージ・フォー・ゴーイング」はシングル・ヴァージョンが選ばれていたり。デヴィッド・ブルー「ベスト・オヴ・ユア・チャイルドライク・スマイル」とか、ハリー・ニルソンもカヴァーしていた「調子はずれの讃美歌(She Sang Hymns Out of Tune)」のジェシ・リー・キンケイドによる作者ヴァージョンとか、ずいぶんと珍しいところも入っていたり。フォーク・ロックとサイケなガレージ・ロックの狭間を浮遊していたバンドとしておなじみのライジング・ストームとかブルー・シングズとかもセレクトされている。

ママス&パパスとかリンダ・ロンシュタットとかジェファーソン・エアプレインとかももちろん選ばれているけれど、同時にマグワンプスとかストーン・ポニーズとかグレイト・ソサエティとかも入っていたり。ジャニス・ジョプリンを含むビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーとかも含め、後のビッグ・スターの初期ものをあれこれピックアップしているのもさすが。

その他、ウィー・ファイヴ、ライジング・サンズ、ボー・ブラメルズ、ソニー・ボノ、リーヴズ、ティム・ハーディン、ジュディ・コリンズ、ファグズ、イアン&シルヴィア、フレッド・ニール、リッチー・ヘイヴンズ、ジーン・クラーク、ボブ・リンド、P.F.スローン、ティム・バックリー、ゴードン・ライトフット、サンシャイン・カンパニー、ラヴ、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス、ダン・ヒックス、ジョン・スチュワート、ポコ、アーロ・ガスリー、ホリー・モーダル・ラウンダーズ、ディラーズ、トム・パクストン、スティーヴ・ヤング、マイク・ネスミス、メラニーなどもずらり並んでいて。

チェリーレッド系コンピの常で、これもストリーミングはなし。ブツをぜひ。フォーク・ロック関連の著書でおなじみ、リッチー・アンターバーガーによる詳細ライナーノーツもありがたいです。

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