フォーエヴァー・イズ・ア・フィーリング／ルーシー・デイカス
間もなくトーレスとコラボした新作アルバムをリリースするジュリアン・ベイカーにちょっとだけ先駆けて、同じボーイジーニアスのメンバーであり、先日、ジュリアンと私生活でも交際していることを公表したルーシー・デイカスのソロ・アルバム4作目が出ました。
前作『ホーム・ビデオ』では自身の子供のころの世界を探求した感じだったルーシーさんだけれど、本作『フォーエヴァー・イズ・ア・フィーリング』では、現在の彼女の胸の内のようなものがアルバム全編に浸透しているようで。一見とても穏やかで、でも同時に激しく情熱的でもある仕上がり。
これまでのマタドール・レコードを離れ、メジャーのゲフィンへと移籍しての1枚ということで、サウンド面では意識的にポップな方向へ舵を切った感もあり。でも、歌詞的にはけっこうきわどく官能的な表現なども採り入れていて。禁断の恋、羞恥心の克服、成熟した愛の在り方、喪失への怖れなどが、透明感のある、精緻で、優雅で、甘美で、でもどことなく不安で辛辣な音世界の下で綴られていく。
まあ、ぼくのようなぼんやりしたおっさんに入り込む隙などカケラもない繊細な心象世界なのかもしれないけれど(笑)。でも、なんだか妙に惹きつけられる1枚ではあります。
フェニックス・ルージアマニスによるストリングスが素晴らしい。その他、ホージア、ブレイク・ミルズ、バーティーズ・ストレンジ、マディソン・カニンガム、コリン・パストーレ、ジェイク・フィンチ、メリーナ・ドゥテルテらも参加。もちろんジュリアンも、さらにもうひとりのボーイジーニアス仲間、フィービー・ブリジャーズも、それぞれ何曲かずつ。アルバム・タイトル曲はボーイジーニアス3人で歌ってます。
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