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Disc Review

Madison Square Garden, New York 06/27/2000 / Bruce Springsteen & The E Street Band (live.brucespringsteen.net)

マジソン・スクエア・ガーデン、ニューヨーク 2000年6月27日/ブルース・スプリングスティーン & Eストリート・バンド

グラミー授賞式のスタートを待ちながらの更新です。

よくあちこちで愚痴ってることなのだけれど。この日本に暮らしながらロックンロールという外来の音楽を愛し、聞き続けてきたぼくは、様々な障壁に直面し、不利な境遇を恨むことも少なくない。母国語が違うことからくる理解の遅さ/浅さ、身体にしみついたネイティヴなビート感の違い、宗教観や文化の違い…。

特に、地の利の悪さ、だ。こればかりはいかんともしがたい。本場、英米のロック・アーティストが本領を発揮するライヴの現場を生で体験/目撃できない可能性が高いのだから。おかげで、何かと悔しい気分になることが多い。たとえば、ブルース・スプリングスティーンが自身のライヴ・アーカイヴ・サイトで次々発掘リリースしてくる音源を耳にするたびに。

あー、このライヴ、生で見たかった、的な? ほんと、生体験したかったブルース・スプリングスティーンのライヴというのはたくさんあって。今回、新たに蔵出しされた2000年のニューヨーク・マジソン・スクエア・ガーデン公演もそのひとつだなぁ…。

1988年にいったん袂を分かった盟友Eストリート・バンドとのタッグを久々に復活させた“ブルース・スプリングスティーン&ジ・Eストリート・バンド・リユニオン・ツアー”。1999年4月のバルセロナを皮切りにヨーロッパ各国を回って、やがてアメリカへ。地元ニュージャージーでの15公演をはじめ、全米各地をくまなく巡った。

そのときの全米ツアーの音源としては、本ブログでも紹介した1999年9月25日のフィラデルフィア公演のものとか、9月30日のシカゴ公演、10月23日のロサンゼルス公演が live.brucespringsteen.net で発掘リリースされているけれど。で、その後、スプリングスティーン&Eストリート・バンドは12年ぶりのマジソン・スクエア・ガーデン公演のため、2000年6月にニューヨーク入り。6月12日から7月1日まで、全10公演を行なった。

翌2001年、2枚組アルバム『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』としてまとめられた、あの怒濤のコンサート。これ、まじ、見たかった。音だけ聞いてわかった。思い知った。スプリングスティーンとEストリート・バンドは、やはり何か特別な絆で結ばれているんだな、と。そんな強烈なライヴ音源だった。映像にもなったので、何度も何度も繰り返し見たっけ。CRTでもみんなで見たなぁ。で、見るたび、ああ、まじ、生で見たかったぜ…と、悔しい思いに駆られたものでありました。

あのライヴ盤は、2000年6月29日と7月1日のコンサートの音源からスプリングスティーン自身がベスト・テイクをセレクトして、曲順とかも入れ替えながら再構成されたものだったのだけれど。2017年になってから、スプリングスティーンのライヴ・アーカイヴ・サイトで、その2公演のうち最終日にあたる7月1日のほうの全貌が発掘リリースされたことがあって。むちゃくちゃうれしかった。

けど、今回はさらにうれしい。そのどっちの日でもない、未発表だった同年6月27日、このツアーにおける8回目のマジソン・スクエア・ガーデン公演の全貌だ。ここで各種フォーマット、買えます。ぼくはいつものようにハイレゾのFLACファイルを20ドルくらいでゲットしました。このツアーに限らず、スプリングスティーンのセットリストは日替わりだから。7月1日、最終日のセットリストと比べると、こちらでしか聞けない曲が8曲。

この一連のマジソン・スクエア・ガーデン公演は、冒頭、ジョー・グルシュキーとの共作曲「コード・オヴ・サイレンス」で幕開け。そこから「タイズ・ザット・バインド」に雪崩れ込んで、「アダムとケイン(Adam Raised a Cain)」へ。「コード・オヴ・サイレンス」から『18トラックス』で世に出た「マイ・ラヴ・ウィル・ノット・レット・ユー・ダウン」を経て「暗闇へ突走れ(Prove It All Night)」へと突入していった7月1日のセットリストとはまた違う痛快感をノッケから存分に味わえる。

そこから「二つの鼓動(Two Hearts)」、ジミー・クリフのカヴァー「トラップト」、そして「ファクトリー」…。この「ファクトリー」が、なんだかむちゃくちゃよかった。しみた。コンサート序盤の流れをたどっているだけで、たまらなく盛り上がる。

と、そんな具合に、全長2時間50分ほど。どの曲もかっこよすぎて、いちいち書き連ねていたらきりがないくらい。ちなみに個人的な盛り上がり最高潮の瞬間は、中盤の「凍てついた十番街(Tenth Avenue Freeze-Out)」かな。『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』同様、メンバー紹介入り。またまたインプレッションズの「イッツ・オールライト」とかアル・グリーンの「テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー」とかを交えながらの長尺パフォーマンスだ。もちろん、パティさんが歌うシークエンスもあり。いやー、かつてのCRTボス・ナイトのときもそういう話で盛り上がったのだけれど、スプリングスティーンのライヴはメンバー紹介コーナーがいちばん燃えます(笑)。

1995年の『グレイテスト・ヒッツ』セッションで録音されて、1998年になってから『トラックス』で世に出た「バック・イン・ユア・アームズ」もやばい。スプリングスティーン流のサザン・ソウル・バラード。なんでも、過去15回しかライヴ演奏されたことがないのだとか。クラレンス・クレモンズのサックスも、ダニー・フェデリシのオルガンも胸をえぐる。

本編ラストに演奏される14分に及ぶ「ライト・オヴ・デイ」もすごい。熱い。DVDで映像を見ることもできたけれど。あれは7月1日のパフォーマンス。もちろん、あちらも圧倒的ながら、こちらの6月27日のパフォーマンスもすごい。ごっきげん。7月1日ヴァージョンには入っていなかった、往年の“デトロイト・メドレー”でおなじみ、「C.C.ライダー」や「ジェニ・ジェニ」とかもぶちこまれていて。アガるアガる。もちろん、7月1日ヴァージョン同様、ジェフ・マック作のカントリー・チューン「アイヴ・ビー・エヴリホエア」も盛り込まれ、ニュージャージー自慢を炸裂させている(笑)。

で、「ハングリー・ハート」からアンコール・パート。「明日なき暴走(Born to Run)」「光に目もくらみ(Blinded by the Light)」「涙のサンダー・ロード(Thunder Road)」と続けて、セカンド・アンコールへ。各メンバーが歌い回す「イフ・アイ・シュッド・フォール・ビハインド」、そして当時の新曲「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームス」で締め。

すげぇよ、ほんと。タイム・マシーンがほしい。あと、お金と(笑)。まじに。

入手したい方は、こちらhttps://live.brucespringsteen.net/live-music/0,26182/Bruce-Springsteen---The-E-Street-Band-madison-square-garden-new-york-ny-06-27-2000-mp3-flac-or-online-music-streaming.html)へ——

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