Disc Review

Let The Good Times In: Sunshine, Soft & Studio Pop 1966-1972 / Various Artists (Teensville)

2019.07.26

お楽しみはこれから〜あなたの知らないソフト・ロック名曲選第三集/ヴィック・ダナ、サンライズ・ハイウェイ、スプリング・フィーヴァー、ローグ・ショウ、バッファロー・ニッケル、アラン・オデイ、バーブラ・ストライサンドほか

またまた再発もので恐縮ですが。以前出た『見せかけの世界〜あなたの知らないソフト・ロック名曲選1966〜1972』、『陽のあたる大通り〜あなたの知らないソフト・ロック名曲選第二集』に続く、豪ティーンズヴィル・レコード編纂による好コンピレーション・シリーズ第3弾。今回もMSIから国内盤が出ました。

このシリーズ、通常の方の人生にとっては、特に、まあ、絶対必要というほどではないのかもしれないけれど。ちょっと通常じゃない、なんというか、こう、特殊なポップス・ファンにとっては、まじたまらない必殺のシリーズだ。今回も激ヤバな1枚に仕上がっている。

たとえば、本コンピの冒頭に収められているタイトル・チューン、ヴィック・ダナの「レット・ザ・グッド・タイムズ・イン」とか。これ、かのニール・セダカがキャロル・ベイヤーと組んで作った曲で、パートリッジ・ファミリーがテレビ番組『人気家族パートリッジ』の第1回目で歌ったり、トミー・オリヴァーがプロデュースしていたラヴ・ジェネレーションもカヴァーしたりしていた傑作ポップ・チューンで、それをダラス・スミスとジョー・サラシーノのプロデュースの下、初期ハリー・ニルソンとのコンビネーションで知られるジョージ・ティプトンがアレンジして、「ブルー・レディに紅いバラ」を全米トップ10ヒットさせたことでもおなじみのヴィック・ダナが歌って1968年にシングル・リリースしたヴァージョン…と。

まじ、長ったらしい説明ですが。ここにずらりと並べ立てたアーティスト名とかスタッフ名とか年代とかの脈絡が大好きな、ある種フツーじゃないポップス・ファンにとって、本コンピはほんと、かけがえのない逸品なのだ。

あと、たとえば5曲目に入っているファインダーズ・キーパーズの「ドント・ギヴ・イン・トゥ・ヒム」。これなんかは、ゲイリー・パケット&ザ・ユニオン・ギャップが1969年に全米15位にランクさせたヒットのオリジナル・ヴァージョンなのだけれど。作者はゲイリー・アッシャー。ユニオン・ギャップ盤のアレンジは名匠アル・キャップス。プロデュースを手がけているのは彼らに「ヤング・ガール」とか「レディ・ウィルパワー」とか「オーヴァー・ユー」とかヒット曲をいろいろ提供したほか、リッキー・ネルソンなどにも多くのヒット曲を書いたことでおなじみのジェリー・フラー。で、実は本コンピに収められているヴァージョンを歌っているファインダーズ・キーパーズというのは、このジェリー・フラーのソロ・プロジェクト名。1967年に当時フラーが共同経営していたチャレンジ・レコードからシングルとしてリリースしたもののヒットしなかった曲を、数年後、ユニオン・ギャップに歌わせてリベンジを果たしたものだったのでありました。

…とか(笑)。

そんな曲ばっかり、全33曲。各曲ごとにこんな感じで我を忘れて盛り上がっていたら日が暮れそうだけど。とにかく、英題通り1966年から1972年までの、ふと見逃してしまいがちな隠れた名曲/名演だらけ。スプリング・フィーヴァー、バッファロー・ニッケル、シェリー・シスターズ、イマジネイションズ、スティーヴ・リーズ、ローグ・ショウ、アラン・オデイ、ピーター・アレン、バーブラ・ストライサンドなど、ビーチ・ボーイズやアソシエイションなどのファンには聞き逃せないタイプの洗練された楽曲から日本でもおなじみのビッグ・ネームによる珍品サンシャイン・ポップまで。

選曲、最高! カラフルなブックレットも充実。編者、カイラー・シュウォーツによる1曲ごとのライナーも詳細。MSI盤には対訳もついてます。

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